一通の手紙が届く
内容は
通達
兵士 懐炉
オハナボウを率いトルスタン方面へ出征せよ
詳しい指示は現地にて上官の指示に従うように
合流不可能な場合は、臨機応変に対処せよ
手紙の内容は以上
不思議に思い城へと出向くと部隊へと案内される
部隊はオハナボウ…だけではなく彼らの機動性を補うためのひよこ虫も配備された混成部隊
私用にと一頭の大きなケルベロスも居る
「彼らをー率いてまずはー城へーかしら?」
案内をしてくれたアンデットは頷くと、手紙に無かった指令を伝える
可能な場合は帝都-トルスタン間の敵兵站、及び補給隊への攻撃を
そう伝えるとすぐに出立するようにと通達が降りる
前線はまだまだ兵の数が足りない
だからこそ次から次へと送り込まれているのだ、戦線を維持、若しくは帝国側へと拡大する為に
眠り粉をー使えるから夜襲にはー最適ーです、ね
これならーこの部隊だけでもー敵を選べば戦ってゆけるーかしら
火に極端に弱い部隊を確認しつつ戦術を組み立てる
森を基点とした一撃離脱
可能であれば殲滅
攻める場合の此方の攻撃力はオハナボウ達の眠り粉の効果にかかっている
逆に、受ける場合は自身がどれだけ良い場所に相手を引き込めるかに
森の中でならば確実に負けはしない
自負でもなんでもなく、ただ事実として浮かぶ
森は自身と彼らにとって難攻不落の城なのだから
木々の根が枝が敵を襲い邪魔をする
植物全てが相手の一挙一動を伝えてくれる
それらが敵と会わずに逃げる事も、奇襲をかける事も容易にしてくれる
うん、砂漠にさえー出なければ何とかーなります、よ、ね
足を取られ水分を奪われるあの地での戦闘はひよこ虫しか便りに出来ないのだから
考えながら準備をすると、城門へと向かう
世界を見て歩くには、戦争も知らねばならない
それも、最も深い所で
其れを見に行こう
世界を知る為に
それと、大切な友達が、戦争が苦手な獣と暮らす少女や蟷螂腕の少女が戦場へ行かなくて済む様に