メモ用紙が挟み込んである


ヴァルドさん

大きなー身体の方

そしてー揺らぐ事のないー己だけの矜持をきちんと持ってー居られる方

娘さんとはーとても仲が良さそうーなのです

戦争でもー頼りがいがーありますし、頼られるー存在ではないーかしら

色合いはー深い蒼色の内にー脈打つ赤をお持ちの方


もし彼をー謳うーならば

響かせるは『猛』き咆哮
彼の存在は誇りを掲げ憂わず爪牙を奮う者
其は『猛る者』也


名のー音では謳えないーので代わりに色をー謳にして

うん、この様にー見えるのです




時折、冬でもー雨が降るのーです

染み渡るーかのような雨が


雨の立てるー音は心地よく

樹皮にー葉に触れるー感触も愛しく

身体にー染み渡るー其れを私は大事にー思うのです


昼夜ー関係なく降る雨


香りがーあるそうなのーですけれど、香りをー知らない私にはー其れが何なのか見当もー付かず

経験をー伴わないー知識だけでは感じ得ない世界がーある事を少し寂しくー思います

それはーどうあっても全てを知り得る事ーが出来ないと言うー意味ですーから


ああ、でもー視覚と聴覚、わずかなー触覚からだけーでも感じる事の出来るー世界はとてもー素晴らしく

ふふ、生まれ出でてー毎日が幸せなのーです


日の光も、曇り空もー降る雨雪も

水もー土も風もー身を焼く炎でーすら大切で


ああ、でもーより大切にーしたいのは繋がったー縁


誰かを知るー事が出来るのはとてもー幸せな気が致します

っふふ、どうせならー世界中の人をー知りたいーのです

途方もー無いかしらーね?


雨が緩やかにーなって参りました

そろそろー止むのだとー思います

周囲からはー歌う音が

畑からー道からーいいえ、周り全てーから

雨を愛するー属を同じくするー者達の大合唱

『人』はー精霊使いでもーなければほとんど聞けないーその歌を、雨が止むまではー聞いてー居ましょう


久しぶりのーこの冬の雨をーもう少しだけ楽しみーたいですもの



ここで文字は途切れ散る