巡る流れ

刻む繰り返し

それに人と言う存在たちは意味を付け織り成していく

興味深い


時間と言う名のそれ


年月と言う名のそれ


一つ一つに名を与え意味を与え三百六十五に区切り一と為し

新たに始まる一を祝う

新年というのだそうだ

それに対する挨拶も種毎国毎に有る


意思持つ中でやはり人が一番面白い

精霊や我らではこうは行かぬ


やはり全てを見て周らねば

自分は後どれだけ動き回れるだろうか

偽体は成長を抑制しているとは言え、既に2m半ばを超え段々と動く事が難しくなっている

大きな体を動かすにはそれだけ滋養も必要とする

太陽、土、水、それらから得る物だけで足りるのか

その内、動く者から得る日が来るのかもしれない

枝で貫き、根で締め付け、そして啜る日が

その頃には体を換えるべきだろう

人の暦であと十年か数十年か

その後の話


けれど直ぐの話


年の節目は夢ももたらす

初夢と言う夢を

人の様に精霊の身にも其れは来るのだろうか

非常に興味深い


名付け親と出会ったのも彼の夢の中

広い砂漠の中、独り立つ彼に興味を惹かれて近づいた

そして私は名をつけられた

その身に黒い無念を宿していた彼に

何かに束縛されていた彼に


戯れに、だが、意味を成す名を


懐炉の名には意味がある


意味とは別に織り込み隠された意味がある


其れを知るのは先の話

今はまだ隠された綻びすら見つけられない

この獣の国で過ごす内に糸の端は見つかるだろうか


其れを捜すのも旅の目的

人を知り、世界を知り、そして最後に自己を知る

そうして漸く全てを知る事が出来る

私の葯は満たされるのだ