ゆったりとだがぎこちない動きでペンが文字を書き連ねていく
相変わらず、綺麗と言うには程遠い字のようだ
国の中をー散策しておりましたーら、大きな門が出来てー居りました
名前をー知力の門とーいうのだそうーです
門の前にはー悪魔が居り、悪魔をー知恵を駆使して倒せばー何時しか門は開くとー御伺い致しーました
知恵を巡らーせるのはとても楽しいーので私も少し遊んで行こうとー思うのです
10名以内にー悪魔を倒せるーかしら、ね
御城の近くではー楓さん一家を拝見ー致しました
無事にー此方へ辿り付けた模様ーで歓迎の挨拶をーしたのです
長い旅路ーご苦労様ーなのです
その後にーゼンマイ時計の調子をー見つつ丘へ
ゼンマイ時計とー私の体内時計がーぴたりと同じ時を刻んでいたのーには驚いてしまいーました
うーん、何だか逆にー狂っているのやもーと思ってしまいーますね
丘ではーカジカさんと御約束をーしたのです
どういう話からーそうなったのーかしら
あ、そうーです
恋文の話かーら文字を書く話にーと変わり、そうして其れでしたらご一緒にー練習をと私がお誘いーしたのでした
でも、まずはー書く道具が必要ーですので二人で町に御買い物へー行こうと御話したのーですよ
そうしたらラマーニア(ガリガリと上から黒く塗りつぶした後がある
ラマーニナさんのーお店が、もしかするとー特注品を作ってー下さるかもしれないーと言う御話を教えて頂きーました
ふふ、手になじむーものを作ってくれるお店とー巡りあえるとー良いのですけど
そうそう、植樹をーしていたら訪ねて来て下さったー狗李さんが御手伝いをーして下さると仰ったのです
私、嬉しくてーお願いしてしまいーました
なのでー今ご一緒にー柿の木を植えてー居るのですーよ
何年も後にーなれば柿の森か林がー出来るかしら、ね
綺麗な森が出来たらーそこで狗李さんとー謳えるーように
一本一本にー願いを込めて
狗李さんのー前にキーシェさんもお出でになって手伝ってー下さいました
早く大きくーなるとよいね、と
キーシェさんの御宅のー種も早く大きくなればーと思うのです
あ、でもーあの子らはきっと春までー寝ているやもしれまーせん、ね
そうそう、ムゾリさんともー夜に丘でそんなー御話を
何時頃芽がーでるだろうかと
同じ事をー言ってしまいーました
久しぶりにーお会いできた彼はやっぱりー御変わりなくて
とてもー私は安心したのーです。変化を厭う訳ではー無いのですーけれど、ね
ふふ、私がーもし人になったらと言う御話もー少しだけ致しーました
この話し方がー変わるなら今のままがー良いと仰って下さったのーですけれど……わ、私滑らかにー喋れないままの方がー良いのでしょうか?
不便はーありませんーけれど、ふふ、少しだけー上手く喋れるー方を羨ましく思う時もーあるのです
カジカさんとー狗李さん
別々のー御話をして居た御二人からー未来の御話がーでたのです
ふふ、凄い偶然ーですね
御二人がーいなくなった先の世でー御二人の子孫と共にー在れたら
私もー素敵だと思いーました
私がー枯れ、果てるまでにーどれだけの方とー出会い、どれだけの方のー行く末を見れるのーかしら
此処で文字は途切れている
今日は此処までのようだ
と、メモ書きがある
アイスさんとーシルさんのー場所へ根を張るー事
忘れずーに
マカディアさんにー柿をお届け。ラージさんからー受け取りましょう