文字が紙面に綴られる
その様は酷くゆっくりで亀の歩み寄りも尚遅い
まだ、体がー上手く動きません
だからー少しだけ
お休みの挨拶をー致しました
貴女の眠りにー幸せな夢が届きますーように
起きたらーおはようっ、て言いにーお伺い致します、ね
魔獣さんとー3人でまた、お散歩ー致しましょう
貝殻、それまでー大切にしています
お休みーなさいませ。大事な友人
もう少ししたらー柿の実が
ムゾリさん、キーシェさんにー早く持って行きませんとーね
ふふっ、喜んでー下さるといいな
お手紙のお返事もーその時きっとご一緒に
お元気にーしてらっしゃるかしら?
ああ、またー意識が薄くなってきてーいます、ね
最後にーこれだけは絶対ーに書いておかないと
秋の味覚をー探しに
セラとーアズガルとー3人で
きっと、とても、とーっても楽しいお出かけに
凄くー大事で楽しみなー指きりげんまんのーお約そ……
此処で字は途切れている
直ぐ傍にはたわわに柿の実を実らせる樹が大小2本
風に木の葉をなびかせている