名付けの親
右手に赤き瞳を埋め込んだ半人半魔
彼は言うのです
相容れないと
私は言うのです
理解しあえると
彼は言います
空いた穴は埋められないと
私は言います
それでも傍に在りたいと
彼は寂しく微笑みます
何時か亡くしてしまうと
私は無言で見つめます
枝で根で、包み離さないと
彼は…哀れみを浮かべます
心を縛れはしないと
私は…
私は……
それに答えを返せませんでした
名をくれた人は失った人
何度も亡くした事のある人
そして、今も無くし続けている人
その言葉に、私は何も言えませんでした
私も、失いかけているだろうから
答えを求めて叫んだ言葉は、再び私に返って来ました
何の答えも見出せないまま